占星術の宇宙観は天動説──地球を中心にした神の時計

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地球を中心に黄道と星座が並ぶ天球儀のイラスト。占星術における天動説的な宇宙観を象徴する図。

今どき天動説?
占星術の宇宙観って古い考えじゃないの?

ミツゲ

占星術は、地球から見える宇宙をもとに成り立っている。
天の動きは神の意図を映す“時のしるし”として読み取られ、ホロスコープはその天の時計盤にほかならない。

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目次

地球を中心に描かれる宇宙──占星術は天動説の世界

占星術の宇宙観は、地球を中心に天体が巡る「天球」のモデルに基づいている。

※<基礎からわかる 西洋占星術の完全独習|ルネ・ヴァン・ダール研究所 (著) 日本文芸社>の図を参考にして簡略図とさせていただきました。|感謝です。

天球儀はその象徴であり、星々が地球を包むように描かれている。
天の赤道は地球の赤道の延長線、黄道はそこからおよそ23.4度傾いている。
この黄道の帯を12の星座が均等に分けて並び、太陽や惑星はその間をゆっくりと移動していく。

地球は自転しながら太陽の周りを公転しているが、私たちの目には太陽や星々が動いて見える。
その見かけの運動こそが、古代人にとって「天が語る言葉」だった。

なぜ惑星は「惑う星」なのか

太陽系の惑星は実際には太陽の周りを規則正しく公転している。
しかし地球から見ると、行ったり来たりするような「逆行」の動きを見せることがある。

この奇妙な軌跡を古代の人々は“神のしるし”と見なし、「惑星(プラネテス)」──すなわち「さまよう星」と呼んだ。

天球上で惑うように動く光の点。それは神が時を示す動きとして受け止められ、
ひとつひとつの惑星が、神の意志の一部を担う象徴として理解されていった。

神の時計としてのホロスコープ

黄道の上を巡る10の惑星は、天の時計の針のように働いている。
その位置関係は、神が今どんな時を告げているのかを示すものと考えられた。

ひとりの人が生まれた瞬間、針がどこを指していたか──それを図に表したのがホロスコープだ。

つまりホロスコープは、宇宙の中で“その瞬間の時刻”を示す天の時計盤である。
その配置を読み解くことで、出来事の意味や人の使命が浮かび上がるとされた。

科学ではなく、象徴としての宇宙

占星術は天文学のように数値の精密さを追うものではない。
むしろ、天の動きの「意味」を読む学問である。
だからこそ地球中心の視点を保ち、人の目に映る天の姿を象徴として解釈する。

たとえば、実際には太陽が動いているわけではないが、地上からは太陽が昇り沈む。
その「見え方」にこそ神のメッセージが宿る──そう考えるのが占星術の宇宙観だ。

星を見ることは、神の意図を読むこと

天体の動きは単なる物理現象ではなく、神が人に示す時の言葉である。

惑星の行列、星座の配置、黄道上の光──それらは偶然ではなく、意味をもってそこに置かれている。

ホロスコープはその神の意図を読み解くための地図であり、
地球という中心から見上げる視点こそが、そのメッセージを受け取る鍵となる。

天動の宇宙に映る神の秩序

天が地球のまわりを巡っているように見えるのは、偶然ではない。
それは人間の視点に合わせて、神が宇宙を設計したかのようでもある。

だからこそ、占星術はこの“地球中心の天の秩序”を読み取る学問として続いてきた。

天は神の言葉を動きで語り、地上の人はその語りかけをホロスコープで聴く。
その往復の中に、古代から変わらぬ信仰と観察の叡智が息づいている。

──天は動かず、人が中心に立つ世界

占星術の宇宙観は、神と人との関係を映す鏡である。
それは科学を超えて、「時の意味」を読むための神秘的な地図なのだ。

参考資料

基礎からわかる 西洋占星術の完全独習|ルネ・ヴァン・ダール研究所 (著) 日本文芸社

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地球を中心に黄道と星座が並ぶ天球儀のイラスト。占星術における天動説的な宇宙観を象徴する図。

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