
占星術って本来は“迷信”なの?
それとも、ちゃんとした学問だったの?



占星術の始まりには、信仰よりも先に“観測と記録”がありました。
星の運行を読み、暦を作り、天を知るための技術だったのです。
星を読む人々──暦と観測の始まり
夜空を見上げ、星の動きを追うことは、人間が季節を知るために必要な行為でした。
種をまく時期、川が氾濫する周期、太陽や月のリズム──それらを知ることは、生活そのものを支える知恵だったのです。
バビロニアでは、王や神官が星の動きを記録し、その積み重ねが“暦”となりました。
やがてそれは宗教的な儀式にも結びつき、星の配列と出来事の関係が観察されていきます。
つまり占星術は、最初から“運命を決める術”ではなく、“時を読む技術”だったのです。
天を写す技術──ホロスコープの誕生
星々の位置を正確に記すために、天文計算や幾何の知識が必要になりました。
古代の学者たちは、星を点で結び、空を数学的に理解しようとしたのです。
この努力が、のちに「ホロスコープ(出生図)」という形で体系化されていきました。
ホロスコープは単なる図ではありません。
それは「今、この瞬間の天を写す鏡」であり、神々の秩序を地上に映す“天文の地図”でした。
星を観るという営みの中に、科学と神秘の両方が息づいていたのです。
星を使う文明──知識が人を導く
暦の精度が上がることで、農業や航海、政治の日取りまでもが星に基づいて決められました。
星は“運命の支配者”ではなく、“秩序を伝える案内人”でした。
人々は星を恐れるのではなく、星とともに歩んでいたのです。
古代ギリシャでは天文学が発達し、占星術は哲学的思考と融合していきました。
星を通して宇宙の調和を知ろうとしたその姿勢は、現代の科学にも通じる“観察の精神”そのものでした。
星を信じる前に、星を測った
占星術の歴史には、迷信よりも先に技術と知恵がありました。
人々は、星を信じる前に、星を測っていたのです。
啓示を離れて星を崇める時代もありましたが、その背後には“天の秩序を知りたい”という真摯な願いがあった。
星を見上げる目は、いつの時代も、神秘と理性のあわいを歩いていたのです。
星を観ること、それは最も古い学び
今夜、ほんの少しだけ空を見上げてみてください。
そこには、何千年も前の人々と同じ星が輝いています。
星を観ることは、過去の叡智と同じ目で“今”を測ること。
それが、最も古くて、最も静かな学びの形なのです。
参考資料
基礎からわかる 西洋占星術の完全独習|ルネ・ヴァン・ダール研究所 (著) 日本文芸社
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