日月神示には、ときに厳しい言葉が現れる。
この箇所もその一つである。
神は臣民を愛していると言いながら、「木の根でも食うておれ」と語る。一見すると冷たい言葉にも見えるが、その直後には「闇のあとには夜明け来る」「心配するな」と続く。
厳しさの奥にある神の情とは何なのか。
今回は上つ巻第2帖の前半部分を読み解いていく。
親と子であるから、臣民は可愛いから旅の苦をさしてあるに、苦に負けてよくもここまでおちぶれてしもうたな。
鼠でも三日先のことを知るのに、臣民は一寸先さえわからぬほどに、よくも曇りなされたな、それでも
の国の臣民、天道人を殺さず、食べ物がなくなっても死にはせぬ、ほんのしばらくぞ。
木の根でも食うておれ。
闇のあとには夜明け来る。
神は見通しざから、心配するな。
[完訳]日月神示 岡本天明 著 中矢伸一 校訂 ヒカルランド 第1巻 上つ巻 第2帖から
厳しい言葉の奥にある親の情
この神示には叱責の言葉が並んでいる。しかし、その根底に流れているのは怒りではなく愛である。親が子を叱るのは見放したからではない。立ち返ってほしいからである。まずはその視点から神示を読んでみたい。
逐次解読|苦難の先にある神の約束
「よくもここまでおちぶれてしもうたな」に込められた嘆き
親と子であるから、臣民は可愛いから旅の苦をさしてあるに、苦に負けてよくもここまでおちぶれてしもうたな。
クリスチャンの立場から見ると、ここでいう神とは天父を指すことになる。しかし私たちに対しては、長兄であるイエス・キリストが父のように振る舞うことも多い。
父としても兄としても、神は人類を愛している。臣民のために罪の代価を引き受けるほどに。
それほど愛しているにもかかわらず、人は神国の臣民としての誇りを忘れ、拝金主義や物質主義へと流されてしまった。
だからこそ神は、「そこまでとは」と驚き、嘆いているようにも見える。
神は機械ではない。喜びもあれば怒りもあり、悲しみもある。その感情は神示の中にも現れている。
啓示とは単に文字を読むことではない。神の情に触れる機会でもある。時には責められて苦しく感じることもあるが、それでも父と心を交わせることは大きな喜びなのである。
動物より先を見失った人類
鼠でも三日先のことを知るのに、臣民は一寸先さえわからぬほどに、よくも曇りなされたな、それでも
の国の臣民、天道人を殺さず、食べ物がなくなっても死にはせぬ、ほんのしばらくぞ。
野生動物だけでなく、犬や猫が危険を察知して騒ぐ話はよく聞く。人間はそうした本能を失ったようにも見えるが、直感や霊的な感受性として残されているのかもしれない。
また神は預言や啓示を通して先の出来事を知らせることがある。備えるためである。
しかし現代では、不信仰によって神とのつながりが薄れた人が多くなった。その結果、警告を受け取れなくなっている。
それでも神は臣民を見捨てない。食糧難があったとしても、それは永遠ではない。飢えることはあっても、滅びるためではなく、通り過ぎるための試練として語られているように見える。
「木の根でも食うておれ」が伝える生き延びる知恵
木の根でも食うておれ。
非常に印象的な一文である。
実際に野草や木の皮を食料として生き延びた例は歴史上にも存在する。たんぽぽなどの野草も食べられるし、樹皮を粉にして食料とした地域もあった。
神示が語るのは豊かな暮らしではない。最低限でも生き延びられるということである。
豊かさを失っても命まで失うとは限らない。この一文には、生存への励ましが込められているようにも感じる。
闇のあとには夜明けが来る
闇のあとには夜明け来る。
どれほど長い夜でも、朝は来る。
太平洋戦争末期には深刻な食糧不足があったが、終戦後しばらくすると状況は改善していった。
神示は未来の苦難を語る一方で、その先の回復も語っている。苦難だけを見てはならない。夜明けまで含めて見る必要があるのである。
未来を見通す神の言葉
神は見通しざから、心配するな。
人は未来を見ることができない。だから不安になる。
しかし神は全体を見通している。この一文は神示の中でも特に力強い慰めの言葉の一つではないだろうか。
未来が見えないからこそ、人は心配する。だが神は「心配するな」と語る。信仰とは、見えない未来を神に委ねることでもある。
試されているのは食料ではなく信頼である
上つ巻第2帖前半は食糧難や苦難を語っているように見える。しかし本当に問われているのは食べ物そのものではない。
神を信頼できるかどうかである。
闇の中でも夜明けを信じられるか。神は見通していると信じられるか。そこにこの神示の大切な問いがあるように感じる。
原文から読み解く日月神示の全体像
日月神示は断片的に読んでも興味深いが、全巻を通して読むことで帖と帖のつながりが見えてくる。
一つの帖で語られた内容が別の帖で補足されることも多い。これから日月神示を深く学びたい人は、原文をまとめた完全版を手元に置いておくことをおすすめしたい。


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